inswatch Vol.22(2001.1.1)

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【 inswatch 】Vol.22

================================================= Vol.22  2001.1.1=====

■□■□■□■□■□■ 22号新春特集企画のご案内 ■□■□■□■□■□■

inswatch22号(2001年1月1日付)は、新春特別号として構成しました。通常と
は違って、2001年の年初に当たり、「2001年の保険業界を読む」というテーマで
特集を組んでみました。業界を読むポイントをいろいろな立場の方から問題提起
してもらいました。皆様が、年初に業界の展望についての座標軸をさだめる素材
にしていただければ幸いです。本年もinswatchのご愛読よろしくお願いします。

■□■☆HAPPY☆■□☆NEW☆■□☆YEAR☆■□☆2001☆■□■

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■■■ もくじ ■■■
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新春特別企画
◇◆「2001年の保険業界を読む」◆◇

【1】覚書・2001年の注目点                  中崎 章夫

【2】波乱含みの2001年生保業界              石井 秀樹

【3】15年後の日本(「保険業界を斬る」番外編)       長   忠

【4】21世紀の保険を展望する(上)              森崎 公夫

【5】読み込みのポイントは3つ                金 斗 雲

【6】構造改革                        原   誠

【7】保険仲立人(ブローカー)の将来             日吉 信弘

【8】2001年の保険システム                尾籠 裕之

【9】「新しいクオリティ」                 佐喜本 敦子

【10】「IT」と保険業界                    大橋  敬

【11】情報リテラシー問われる年                稲葉 幹雄

【12】情報化と人の思い                    森田 直子

◇新春エール
【13】笑顔の効用                       橋本 佳子

◇シリーズ
【14】不思議の国日本(3)-不毛な契約登録制度論議(その1) 岩瀬  修

◇ネットワーク紹介
【15】旬のセミナーリポート 「保険プラザセミナー」      石井 秀樹

■ 編集後記

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【1】覚書・2001年の注目点                  中崎 章夫
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保険業界は大きな地殻変動期に入っている。「天動説」から「地動説」への転換
同様、保険産業もその軸足をメーカー志向から顧客志向に切り替える時期に来て
いる。メーカー責任、販売者の責任そして顧客自身の責任が問い直されているは
ずだが、規制時代の意識からの脱却は思うように進まない。情報格差も依然大き
い。閉鎖的な業界からの脱皮に時間がかかりそうだ。旧来の保険文化から顧客立
脚型文化があちこちで逆流現象を味わいながらも生み出されようとしている。

2001年を見据えると、現象的には、合従連衡のいっそうの進展が見られる。派手
な保険メーカーサイドの再編成が引き続き見られ、小数の巨大グループに集約さ
れていこうが、過度の集中は一方で、分散化を誘発し、多様な事業形態を生み出
す。保険の「暗黒大陸」と言われてきた保険流通・販売を軸に大きな組換えが起
こりそうだ。非効率な部分は、効率的な仕組みにとって変わられる。

先を見るポイントはいくつかある。ITを始めとする技術基盤の変化で、保険流通
は様変わりする。その際に、改めて、現場で培った人のネットワークとの融合が
課題になる。デジタル的な文化とアナログ文化の交差、融合を通じて新たな業態
をどのように作り出せるか。職人芸、名人芸を有する代理店個々の情報価値の再
評価とその共有財産化を図れる仕組み、モデルの構築も課題となっている。

高齢化に伴うマーケット構造の転換や、ボランタリー社会化といわれる自立した
生活者の新たなネットワークの形成に対応し、どのような新たな問題解決支援の
仕組みを作り出せるか。文字通り顧客の支持を獲得する質的な競争を惹起させず
にはおかない。「自分が顧客ならどうしてほしいか」を絶えず問い直すところに
しか新たな保険文化は花開かない、という思いを、今改めて強くする。
((有)ナカザキ・アンド・カンパニー代表、inswatch編集人)

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【2】波乱含みの2001年生保業界    石井 秀樹
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21世紀へのスタートが切られたが、生保業界にとっては各社とも経営の新な方
向性が問われる1年になりそうだ。昨年は新契約の低迷と解約の増加、保有の減
少、低金利と逆ざやによって生保4社が破綻した。また、昨年8月の保険会社の
保険募集の代理・代行業務の解禁を契機に一挙に生・損保間の提携が進んだほか
相次ぐ生保破綻で既契約の予定利率引き下げ問題が浮上するなど大波乱の年とな
った。ところが、これら問題はいずれも決着がついておらず、2001年へと持
ち越された。この1年はまずは積み残された問題をいかに整理・具体化していく
かが当面の課題であり、その先に始めて21世紀の生保の姿が見えてこよう。

今後の生保業界を見る上で重要なのは、提携・グループ化の進展だ。これは既存
の大手社が従来の単独で生きる方向を180度転換させ、提携・事業統合によっ
て総合的な保険会社として生残る道を選択した事だ。ただ、これらは生保の逆ざ
やによる体力の弱化、損保の価格自由化による競争力の強化をいかにスリム化・
合理化によって補うのかが当面の課題で、提携の中味も商品の相互販売、サービ
ス・チャネルの共同開発、システムの共同投資にとどまっている。

特に生保は朝日生命が東京海上・日動火災との事業統合を前提にした提携となっ
たが、まだ本格的なグループ形成や統合に動いていないのが実態だ。それだけに
この1年は提携の中味作りが最大の課題だが、第2段の再編が起る可能性が高く
その姿が見えてくるのもこの1年ではないか。
既存の大手各社は総合化を目指しており、2~3年後には数社の総合的な保険グ
ループとニッチを追求する会社といったアメリカ的な業界構造となってこよう。

商品的にはこの1年で日生、明治型の「口座」方式を採用、商品・サービスを提
供する会社と特定商品にシフトする会社に分かれて来そうだ。また、4月からは
予定利率の引き下げも予想される。当然、生保の保障機能と貯蓄機能の分離ニー
ズが高まる。今後、変額年金、投信、401K分野で、運用競争が始まる。
さらに7月からは第3分野の本格参入もあり、ネット販社、機関代理店、証券会
社などが拡大。将来的には商品別チャネル、マーケット別チャネルが登場しよう
が、あらためて手数料体系も含めた営業職員チャネルの見直しと分化が進む1年
となろう。
((有)インスプレス代表、inswatch編集人)

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【3】15年後の日本(「保険業界を斬る」番外編)       長   忠
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21世紀の幕開けで、しかも発行が元旦ということで、中崎編集人より、何か将
来を見据えたようなコラムを書けとの厳命が下りましたので、今回は番外編とし
て、我が国の将来展望?を考えます。

私事にわたり恐縮ですが、5日前に小生60歳を迎えました。今後とも、見かけ
の若さを活用して75歳ぐらいまでは、何らかの形で仕事をして、社会との関わ
りを持っていきたいと改めて感じました。

見かけの若さをご覧になりたい方は今すぐ以下へアクセス、顔をクリックすると
経歴が現れます(見たくないぞとの声あり) http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/

ということで、75歳以降は当面興味がないので、15年後(2015年)の日
本を予測して見ましょう。小生はこれまで様々な統計的予測をしてきましたが、
その多くは、当るも八卦当らぬも八卦といったところでした。

その中では、比較的信頼性の高いのが人口予測です。最近、若者がパラサイトシ
ングル化して、なかなか子供を産まないといったことが問題視されていますが、
このように、現在の状況が将来を決めるといった要素があるのが人口予測です。
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/columnGK/gk45-.html#p1

これから15年、人口が大雑把にどう推移するか厚生省の人口推計で見てみます
と、60歳以上の人口が、現在の3千万人弱から、2015年までに1千万人強
増加して、4千万人を超えると予測されています。丁度、その分、働き盛りの2
0歳から59歳までの人口が減少します。
http://www1.ipss.go.jp/tohkei/Mokuji/1_Japan/J_List.asp?chap=0

我々の仲間が、東京都の人口分増えて、総人口の3人に1人になります。これか
らのこの年代は、体力的にも精神的にもタフなので、一大勢力となって社会に影
響力を行使できると考えるとわくわくします。現代は若者文化全盛ですが、15
年後は落ち着いた大人の文化が花開いていることでしょう。

保険も大きく変わりそうです。一言でいうと死ぬリスクのカバーから生きるリス
クのカバーへでしょうか?少なくとも、代理店が自動車保険で飯が食えた、良き
時代が過ぎつつあることだけは確かのようです。

今日は、初夢に、15年後inswatchが、保険業界を代表するクオリティマガジン
のトップブランドとして根付いている様子を見たいと思います。
(経営数理研究所代表、inswatch発行人)
http://www2.biglobe.ne.jp/~cho/

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【4】21世紀の保険を展望する(上)              森崎 公夫
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銀行が2002年4月のペイオフ解禁を見据えてBIG4に集約されているが、依然とし
て不良債権処理が思うように進まず、今後ゼネコン、流通、またIT関連の動向如
何では新たなる不良債権を抱えることとなり、更に統合・合併が進むことになろ
う。

すなわち、預金者の選別と銀行業の役割変化により2001年中に相当数の銀行が姿
を消すことになるものと思われる。
仮にそのスピードが遅くなったとしてもそれは問題を先送りにするだけであるか
ら、銀行以外も巻き込んだ大型破綻となり、正念場は2001年と言える。
この結果、保険会社と銀行との結びつきは従来の系列や歴史的な関係を越えたも
のとなり、銀行中心の統合・再編が行われることにはならない。

保険も今までのように、生保と損保を区別してそれぞれを語ることは、今後の情
勢の変化のなかで不適切と言わざるを得ない。
先ず、生保は既に6社も破綻し、保険購買者の絶対的信頼を失ってしまった。
また、現情勢では更に破綻会社が出ないとは言い切れ無い。最後に残るのは4、
5社といっても過言では無い。それほど深刻な状況にあることを誰がどれ程理解
しているのか、外から見ていると真に不思議な世界としか言いようのないのが現
実である。

今後は、貯蓄性の高い養老や終身分野は破綻を見てきた消費者からすると現在の
生保からは買いたくない商品であろう。また、年金も同様である。それ程破綻の
ツケは大きい。
この結果、生保はよりリスクの高い疾病分野等に手を出さざるを得ず、従来のよ
うにマーケット最大の機関投資家として君臨できるようなファンドは持ち得ない。
このため、コストの徹底合理化を迫られるし、アンダーライティングも入口チェ
ックのみではなく相当厳密な出口チェックが必要となってくる。
したがって、安定的経営と投資資金の潤沢が売物であった生保は消えてゆくこと
になる。
一方、損保は東京海上、安田、および三井・住友の三大グループに集約されつつ
あるが、商品特化、地域特化、それに販売特化が進まない残余の損保はこの三大
グループのいずれかに統合されるか、独自路線をどのように構築するか、経営手
腕の見せどころである。

また、この三大グループ間の価格競争が現実的なものとなり、スピードのある経
営改革を急がない限り、残余の保険会社は消滅せざるを得ない。
生保・損保それぞれの業界、またこの2業界にまたがった相互のアライアンスに
時間を消費していると、今度こそ本当に統合金融事業を掲げた巨大外資、Citi
Traveler’s, GE Capital, AIG, Zurich Financial Servicesのような銀行・証
券・保険を横断的かつ、機能的に組み込んだグループが日本を席巻することにな
る。
真に21世紀の幕明けはカオスの状態で、ここから一刻でも早く抜け出すところが
生き残るというよりも、生まれ変わることになる。

以下保険事業には何が望まれているのか次回で述べたい。

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【5】保険業界変化-読み込みのポイントは3つ         金 斗 雲
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◇生保プロダクトの変容
今までの生保商品は、長期に利率が約束された安全な商品との信仰があった。そ
れが、逆ザヤ、破綻、予定利率引下げ問題の浮上で、消費者の生保信仰は、不信
へと一変してしまった。消費者、契約者側からすると長期性の投資商品としての
生命保険は危ない商品との認識になった。明らかにプロダクトの性格が変わった。
リスクがあってリターンがある普通の金融商品と何ら変わらないリスク商品だと
いうことがはっきりした。生保という投資商品が変容する。利率の長期固定はで
きないのだから、出来る形に直す。運用成果に応じて利率が変動する商品群にプ
ロダクトの基調が変わる。2001年に直ちに動くかどうか分からないが、構造
的にそうならざるを得ない。

◇保険販売はソリューションビジネスに
保険の流通・販売面はソリューション(問題解決支援)ビジネスの方向に行かざ
るを得ない。その理由は2つある。1つは、顧客の変化の早さだ。保険商品を販
売するのか、ソリューションを提供することを考えるのか。後者の方が、顧客の
利害と一致しやすいので、顧客の変化に対応しやすい。

もう1つは、保険商品がソリューションの一部分しかできなくなっている点だ。
保険の販売も、見方によってはソリューションの提供という働きをしてきた。し
かし、そのソリューションの範囲は、顧客の側から見ると狭く不十分な面も出て
きている。ソリューションを求める顧客のニーズは時に拡大し変化する。それに
応ずるには「保険商品」の販売では不十分になってしまっている。

◇技術基盤変化の芽
技術基盤が変わってくる。IT利用しネット販売も起こる。既存の代理店チャネ
ルもハイブリット化により変化し、ITを使い生産性をあげる。将来起きる注目
点としては、生命科学が発展し、技術の進歩もあり、生保の引き受けが変わる。
損保に関してもITSの導入で、自動車事故が減ってくる。2001年は、技術
の進展が、業界の変化をもたらす芽が出てくる時期になる。
(保険リサーチャー)

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【6】構造改革                        原   誠
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1.統合
現在損保業界は5つの企業グループに再編されつつある。生保も交えた大掛かり
な再編は今後ともしばらく続くだろうと思われる。その中には合併もあれば統合
もある。今はその合併や統合に向けて各社の皆さんは日常業務に加わった準備作
業に追われている。

合併や統合の推進作業過程では「合併だったら割り切って決まることも多い」で
あるとか「統合でよかった」等々の様々なメリデメ論議もある。

合併と異なり統合の範囲は様々である。「融合」や「結合」と呼んだほうがふさ
わしい局面もある。統合とは「お互いが何も失わない問題解決」と英国の経営学
者であるM.Pフォレット女史が定義づけていたが、現実は「妥協=双方が譲って
いるのでいずれ問題が再燃する問題解決」あるいは「制圧=声のでかい方が勝つ
解決」も多く発生しているだろう。

2.ポストの不安
統合時の最大の問題としてポストがあるのかということがあげられる。米国の買
収事例の研究では、個々人の不安はある時点で「受け入れ」と「抵抗」に分岐し、
さらに「抵抗」は「崩壊」に、また「受け入れ」は「適応」へと進行することが
わかっている。

居場所があることは社員にとっては給与水準以上の大きな問題であろう。給与が
多少下がっても自らの存立基盤があれば統合や合併会社の業績の向上とともに巻
き返せる期待感があるはずだが、居場所がない場合はその期待感すら持てないか
らである。

3.構造改革絶好の機会
一方で旧来の保険事業の業務には様々な問題が歴史的に積みあがっている。その
大きな問題の一つがいわゆる「二重構造」と呼ばれているものである。統合や合
併はその解消の絶好の機会であろう。これを逃したら二度と抜本的な解決の機会
は無いのではとも考えられる。そしてポストレスの不安も解消しながら、なおか
つ現在以上の営業生産性が生み出せる機構改革はあるのではないかと考えられる。

4.4分野の新機構
筆者は今のところ4つの分野の生産性向上に寄与する新機構があるものと考えて
いる。
第一は本社内の二つのスタッフ部門である。一つは部店等の生産性を分析し改善
する「マーケティング監査」、また種目営推がいわば商品サイドから施策を練る
のに対し顧客(業種や施設など)サイドから考える「マーケットマネジャー」であ
る。
第二は販社である。他社およびその代理店の契約を基本的に標的とした直販部隊
である。
第三は中小代理店の初期対応のためのコールセンターである。2~3000万ク
ラスまでの代理店の試算代行や申し込みチェックなどの問い合わせを支社の営業
マンから外すためである。
第四は代理店経営支援である。代理店の大型化や合併あるいはシステムのサポー
トなどをてがける別会社である。
以上の4機構はいずれも保険事業の生産性向上に資するはずで、その検討の機会
は今である。
(デロイトトーマツコンサルティング・シニアマネージャー)

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【7】保険仲立人(ブローカー)の将来             日吉 信弘
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私は1997年保険仲立人会社(セジウィック・インターナショナル社)を代表者と
して設立し(関東財務局長第24号)、その後1999年にこの会社を同業者へ合併・
譲渡した経験をもっています。現在合併した保険仲立人会社の常勤顧問として引
き続き損害保険の仲介業務に携わっております。

最近、保険評論家の方や新しく仲介人の業界へ参入された方が、日本の仲介人業
界の将来について、種々のビジョン成抱負を語っておられますが、私としまして
は、私自身の経験から仲介人業界の将来について大きな疑問をもっております。

◇仲立人業界の将来への3つの疑問
それは次の理由によります。
(1)仲介人制度が導入されて3年後の1999年において仲介人扱いの損害保険契
約はわずか112億円(保険料ベース)、マーケットシェア0.1%にしか達してい
ない。しかもその巨石のうち50%は海上保険(主として船舶保険)である。
(2)乗合代理店と仲介人の差別化が実務上はほとんどされていなく、ことに顧
客からはその差はまったく分からない。
(3)制度上、差別化されているはずの海外直接付保や再保険分野で、現在の日
本の仲立人にはこの仕事をこなせる人が皆無である。

私自身、現在の仲立人制度の設立から関与してきた立場であり、当初から私が危
惧し警鐘を鳴らしてきたことが的中し始めている感じがします。それは、この制
度の導入が日米保険交渉というきわめて政治的な立場で決められたという経緯が
あるからです。

◇乗合代理店との融合が鍵
では、21世紀にはいった今年、私達はどのように保険仲立人を考えたらよいの
でしょうか。私は、その鍵は、現在の代理店制度、特に乗合代理店制度と仲立人
制度を融合してしまうことだと思います。その際、乗合代理店の所属保険会社か
らの独立性を高め、結果として仲立人制度をその中へ吸収してしまうことだと思
います。

この問題については、私の今年のテーマとしてみなさまにお話していきたいと考
えています。
(マーシュ・ブローカー・ジャパン常勤顧問)

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【8】2001年の保険システム                  尾籠 裕之
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将来のことを予測するということはたとえちょっと先のことであっても難しい。
年初に書かれた予測も年末に振り返ると当たらないことが多い。その原因はおそ
らく確実なことと不確実なことを区別せずにいるからではないかと思える。

2001年の保険業界において確実なことはコスト削減である。インターネット
技術は大幅な事務コストの削減を実現できる。技術、制度、社会全般の認識も事
務プロセスをインターネットで行うことを支援している。具体的には代理店や営
業員からインターネットを経由して申込書や更改、保険内容変更等の取引情報が
入力され、その場で決済が行われるようになる。代理店や営業員に対するコール
センターサポートが充実しインターネットと電話とで事務処理が完結するように
なる。すべての保険取引がこのような形になるまでには数年を要するが2001
年にはいくつかの主要取引がこの形に移っていくだろう。

代理店にとってインターネットで即時に取引が完了することのメリットは大きい。
現在、取引が完了していないものはペンディングとして書類が管理され取引の完
了まで照会や書き込みの作業が発生する。主要な取引で即時完了が実現できれば
20%近くの作業量軽減に結びつくだろう。

以上のことは確実に保険会社や代理店の体力強化につながるのでまず間違いなく
実現されるであろう。

不確実だが可能性が高いのはチャネルの生産性向上である。チャネルの事務軽減
は営業にもいい影響を与える。一人の営業員がカバーできる顧客の数が増えるか、
一人の顧客の保険カバーが増える。日本全国の保険カバー(保有契約高、総収入
保険料)が変わらないとすると、生産性を上げるチャネルがあるとその逆が必ず
ある。つまり、チャネルの集中化が始まる。論理的にはこうなるはずだが、押し
とどめる力も結構強い。今後の保険を占う動きが2001年に始まりそうである。
(日本IBM主席マーケティングマネジメント)

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【9】新しいクオリティ                   佐喜本 敦子
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◇2極化が顕著
新世紀は、カオスからの「新しいクオリティ」の誕生となるでしょう。
あらゆる業界で二極化が顕著となり、統合と消失が進み、顧客サイドでは、より
一層の本物志向が進むと思われます。我々の業界も同様で、昨年の混乱は納まら
ず統廃合が繰り返され、代理店や募集人の流転が多く見られる事になります。そ
の中で、顧客は「自己責任」という日本人にとって一番苦手なものを要求される
時代が本格化します。さて、ここでは「新しいクオリティ」について私見を述べ
たいと思います。

◇責任ある選択
我々は日常において常に「選択」を無意識に実行しながら生きています。例えば、
「どこの保険会社の代理店登録をするのか?」「お客様に何の保険商品を提供す
るのか?」等々、毎日が「選択」の連続です。もちろん、私生活も同様でありま
す。しかし、今までとは格段の違いで意識下に刷り込みが必要なのが、「責任あ
る選択」でなければならないという事で、これはしばしば「人間性」と深く係わ
る倫理の領域や哲学の領域となります。つまり、企業においては利益優先か、顧
客優先かの選択時にトップが如何に行動したかが、企業の存続自体に大きな影響
を及ぼすかを、多くの事例で昨年私達は検証できました。雪印、三菱自動車・・・

◇普遍的な誠実
さて、代理店の我々は如何にして「責任ある選択」を実行できるのでしょうか?
また、よく言われる「正しい選択」とは「誰にとって正しい」のでしょう。今一
度、自問自答して確認する事が重要なのではないでしょうか?大切な「人」を
「無」にしては、ITも存在しないように、「責任ある選択」ができずして、代
理店としての存続は困難な時代を迎えた思います。「責任ある選択」を各自の良
心と顧客の立場で実行して行けば、「選択される代理店」として進むことができ
ると確信します。「新しいクオリティ」とはまさに「普遍的な誠実」であり、困
難な道程である事も間違いありませんが、皆様と協力しながら貫徹できる事を祈
念致しております。
((株)ボアーズ取締役顧客マネージャー)
http://www.mighty.ne.jp/boaz

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【10】「IT」と保険業界                    大橋  敬
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月並みではあるが、保険業界にとっても「激動の20世紀」が終わり、21世紀とい
う新しい時代が訪れ、今年1年の動向を私なりに予測してみることとする。
特に、保険業界は本格的な自由化を迎え、さまざまな見方があるが「IT」という
言葉をキーワードとして考えることする。

従来から叫ばれている「システム化」という言葉が、時流に乗って「IT」という
言葉に改められたが保険会社も代理店も何も変わっていないというのが率直な感
想である。ITという響きがどうも他力本願的に聞こえ、ITというもの対して自ら
が変革するのではなく、何かしてくれるものと、とらえているような感じがする。
時代はインターネットに向かっていることは明白であり、インフラの普及と伴っ
てさらにこの技術を使った保険会社・代理店間のコミュニケーションが推進され
ることとは異論がないと思うが、保険会社にとっての切り札であった「新代理店
手数料体系」が中途半端な形で決着し、果たしてどれだけIT化を推進できるかが
微妙である。

さらに代理店サイドで考えれば、ITに使われている感じが否めない。昨今「保険
比較サイト」が多く立ちあがっているが、今年の後半にはある程度の形で決着が
着くと思う。比較情報さえ手に入れば、何とかなると思っている代理店は、今一
度自らの業務とは何かを問いただしてみる必要があるといえる。

結論めいたものを言わせてもらえれば、ITとはあくまでも手段であり、それがす
べてを解決するものではない。まだまだ、現在のような試行錯誤が続くと思われ、
「IT」ありきの考えから脱却できるかどうかが、成功のカギといえる。IT黎明期
においては、「使える」人の有利性を保つことができるが、普及してしまえば当
たり前の手段となる。ITがかえって自分の本業とは何か、を問いただしてくれる
1年になるのではないだろうか。
((株)ISネットワーク代表)
http://www.isnetwork.co.jp/

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【11】情報リテラシー問われる年                稲葉 幹雄
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2001年も保険代理店は引き続き激しい変化と競争にさらされることとなりま
す。新年早々、第3分野の解禁で、がん保険や医療保険の販売合戦に巻き込まれ
る皆さんも多いことでしょう。

2000年はインターネットの急速な普及の年でした。多くの代理店にとって、
代理店端末の導入とインターネットへの接続は既成事実になっているでしょう。
今年は、おそらくそれを使いこなす能力(情報リテラシー)が求められる年にな
ると思います。 使いこなしてゆく点でいくつかの問題点や方向を考えてみたい
と思います。

1)代理店端末について
昨年の末に東京海上から、iモードなどを利用した携帯端末の機能が提供されま
した。代理店端末の多様化が今年のひとつの流れになるかと思います。また、代
理店端末自体のシステムの内容も大幅な見直しが始まるのではないかと期待され
ます。代理店の顧客サービス支援や乗合代理店に対する配慮といった点が留意さ
れ始めると思われます。今年合併してできる三井住友海上の代理店端末がどう変
化するかには、期待と興味がもたれます。

2)代理店のネットワーク化について
代理店をとりまくインターネット環境の変化は、代理店相互のネットワーク作り
を可能にしています。同じ保険会社の代理店が地域の壁を越えて、また、保険会
社の違いを超えてネットワークを作ってゆくことが可能になってきました。前者
の例が、東京海上の代理店グループである、保険プラザですし、後者の例が私も
属しているRINGの会です。他の保険会社においても、また他の地域において
も、こうした動きは始まっているでしょうし、活発になってくると思います。
(有限会社オフィス・イナバ代表)
「保険の広場」 http://www.e-hiroba.co.jp/

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【12】情報化と人の思い                    森田 直子
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記念すべき21世紀の幕開を迎えました。新たな時代が始まる事にワクワクする
ような気持ちで新年を迎えています。子供の頃には想像できなかったインターネ
ットという新しいメディアが誕生し、今後その普及が更に広がって私達の仕事も
家庭も生活においてもそのスタイルがどんどん様変わりしていくでしょう。

少し前には、社会をになうのは「情報」であると言われていました。今まさにそ
の時代が来ています。そして溢れる情報化の時代の到来のあと、今度は、もう一
度「誠意」や「人間関係」といった基本に人は戻っていくのではないかと思いま
す。情報機器が発達しても、たくさんの情報が飛び交っても、伝える側の人間の
「伝えたい」と思う熱い気持ちがないと相手の心には響かないと思うからです。

保険業界はまだまだ情報開示が不足している業界です。「伝えたい」思いが足り
ないといと私は感じます。ユーザーに親しまれ愛される業界となるためには、そ
の熱い思いを業界全体でになう必要があります。ユーザーへの情報提供は保険業
界全体の責務であり、その責任の一端を私達代理店も背負っているのです。

インターネットは最新情報を距離を越えてより多くの人に伝えられる、また双方
向のコミュニケーションが取れるすばらしいメディアです。画面の向こうに人と
人の伝え合いたい思いがある事を表現できるこの世界を、是非活かせる保険業界
であってほしいと願っています。21世紀は、情報機器を駆使しより多くの人と
人との思いを伝え合える時代です。また私達も、熱い思いを伝えるべき一人とし
て新たな時代に臨みたいと思います。
((有)エヌワンエージェンシー 代表)
「nyaoの勝手に保険講座」
http://www1.neweb.ne.jp/wb/n1agency/

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◇新春エール◇
【13】笑顔の効用                       橋本 佳子
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昨年、ジャイアンツの日本一ということで、プロ野球は幕を閉じました。そして、
その後のストーブリーグは、イチロー、新城の大リーグ入りなど、年末まで話題
を提供してくれました。そのなかでマルティネス選手の契約更改のニュースに、
心和むものがあったのでお伝えします。

ご存じのようにマルちゃんは、開幕から7月まで、チームの勝利を盛立てる大活
躍をしていました。清原復帰の後、彼は代打要員になり、豪快な打撃を見る機会
も少なくなりました。しかし彼の年収は、5000万円アップしたそうです。解
説者は長嶋監督の感謝を込めたボーナスと言っていました。

感謝のもとは、彼の笑顔です。ベンチにいる彼は、ガムをかみながら、何時も陽
気な笑顔を見せていました。そして、自分のポジションを奪った清原にも多くの
助言を与えていました。彼の態度がチーム優勝に大きく貢献したのは間違いあり
ません。世知辛いニュースが多いなか、私の大切に思っている笑顔が評価された
ことは、本当に嬉しいことでした。

「笑う門には福来たる」笑顔の効用、21世紀の幕開けに、ご一緒に考えてみま
せんか。
(元気の出る研修)
http://homepage2.nifty.com/shiawasehaitatsunin/

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◇シリーズ◇
【14】不思議の国日本(3)                  岩瀬  修
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不毛な契約登録制度論議(その1)

つい先頃、中国製衣料が日本の衣料産業に経済的な打撃を与え始めているのでは
ないか、だから国内の衣料産業を保護しなければと通産省が検討中…といった記
事が報道された。この記事には、消費者不在の考え方ではないかといったコメン
トが付されていた。この消費者不在の思想を色濃く持っているのが、実は生保・
損保から構成される保険業界ではないだろうか。

◇保険契約に絡む犯罪とその予防
保険金の不正取得にからむいわゆる保険金詐欺事件は、洋の東西を問わず、この
業界の歴史的な課題でもある。過去においては、三浦某によるロス事件が週刊誌・
TV番組を賑わし、所得補償保険なるものの登場により不況産業の集中する特定地
区からは、指を切断した多数の労働者が保険金取得を試みたという時代もあった。
そして、トリカブト事件、和歌山カレー事件、埼玉事件とその時々の世情を反映
するかのように保険会社をターゲットにした犯罪は、後を絶たない。

こうした保険契約に絡む犯罪を予防しようという試みは、保険契約時のいわゆる
アンダーライティング機能や保険金支払い時の調査の徹底そして告知義務違反の
適用といった民間保険会社の努力により地道ではあるが繰り返し行われてきてい
るところである。

◇発端はカレー事件
ところが、今、この業界では、和歌山カレー事件を契機として、多重契約者のチ
ェックシステムを業界をあげて立ち上げようとしているという。そもそも、カレ
ー事件に立腹したある議員が国会での質問を行い、これに当局が喚問されたこと
に発端はあるようだ。その後、当局は、業界に対していかにして保険詐欺事件を
予防するのかという課題を与え、その後、対応に戸惑う業界に対して一喝したと
いう。そして、当局は、かってのMOF(大蔵省による保険監督)時代を思わせるか
のようなせりふを常套句として用いているようだ。「協会を中心とする任意の保
険会社間による多重契約チェックシステムであり、行政が関与したものではない」
というのがそのせりふでもある。

業界では、このシステムにかかる文書が山となるほど発信されており、事態の異
常さを裏付けるものとなっている。

◇多重契約=保険金詐欺という図式への疑問
多重契約=保険金詐欺という図式には、相当程度の疑問がある。そして、A社で
契約したデータが業界全体にリストして流れるという構図にも疑問がある。行政
は、その関与については、否定的な態度を対外的に表明しているようだが、発言
はエスカレートし「予防」は、「犯罪の未然防止」ともなってきている。果たし
て、民間の保険会社がこうした責務を負うべきなのかどうかということも疑問で
はないだろうか。そして、法的な観点から今回の業界挙げてのヒステリー現象を
検証してみる必要もあるのではないだろうか。

透明さを高めることにより、国際市場での信頼を回復しようとしてきた金融業界
の片隅で起きている矛盾に満ちた動きは、当然のことながら、外国保険会社の知
るところとなり、外国保険会社にもこのシステムへの参加を求める動きとなるだ
ろう。
(リスクコンサルタント)

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◇ネットワーク紹介◇
【15】旬のセミナーリポート  「保険プラザセミナー」     石井 秀樹
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(有)保険プラザのオープニングセミナーで三氏が報告

(有)保険プラザ(小泉春海代表)のオープニングセミナーが12月23日に東
京・市ヶ谷の私学会館で150名の代理店及び保険会社関係者が出席して開催さ
れた。(本マガジン21号ビューポイントで紹介)。保険プラザのURLは
http://www.hokenplaza.co.jp/
今回は、同セミナーの概要を紹介する。

セミナーは「21世紀への提言!輝ける未来ー成功への道」を共通演題に本誌編
集人の中崎章夫(保険ジャーナリスト)、原誠氏(デロイト・トーマツコンサル
ティング戦略マネージャー)、島康之(東京海上・営業推進部主管)の三氏がそ
れぞれ代理店の目線に立って、21世紀へ取り組むべき課題と問題を提起した。

◇代理店が成功するための10の提案
セミナーまず中崎が「人の生き様産業」の再評価、覚書風代理店が成功するため
の10の提案ーと題して報告した。中崎は、保険会社も規模の大きいところが率
先して新しいブランドを求めて再編が行われている、またIT時代で中抜き構造
ということが言われるが、社員が一番大変で、顧客接点にあるところは中抜き、
出来ないとした上で、代理店経営について次の10項目を報告した。

1、夢とその共有を考えよう(顧客へのこだわりがビジネスの基礎で、地域・社
会とのかかわりが大切)
2、代理店ブランドへの執着を持つ(保険会社のブランドは強いが、巨大グルー
プ化する中で、同じブランドが競い合うことになる。代理店ブランド作りが大切)
3、名人芸、職人芸を一代限りにしない仕組みを作ろう(優れた技術、ノウハウ
の継承は志を同じくするプロ同士のネットによる情報共有で可能性高まる)
4、顧客のことにどれだけ時間をかけているか再点検しよう(バックオフィス機
能のデジタル化で創出できる時間を顧客対応へ)
5、代理店がまとまる仕組み作りを考えよう(共同化は、オープン・フラットな
組織作りとリーダーシップが鍵)
6、代理店経営のリスクマネジメントをまず考えよう(情報格差を解消する感性、
専門職業のリスク対策が必要な時代に)
7、アナログとデジタルの交差で考える習慣をつけよう(新規か既存市場か、販
売か相談か、ITの得意分野を見極める。最初か最後に必ず汗をかく)
8、代理店サービスの質の向上を図ろう(顧客へ優位性、存在感ある付加価値展
開を)
9、マーケティングの主役足り得ているか(顧客との一対一の関係作り、ブロー
カーは乗合代理店に融合か)
10、問題解決支援業足りえているか(コンサル能力と実践事例の共有化が必要)

◇代理店経営に対して「8つの提案」
続いて、原氏が「8つの提案」で報告。原氏は今後、顧客から要請されるサービ
スはますます専門的になり、組織的な対応が必要になる。システムや組織、そし
て経営理念の変革が必要ーとして次の8点を提案した。

1、理念の変化(「取り引き」から「取り組み」へ、戦略的パートナーとしての
生き残りの追求)
2、差異化戦略(顧客に選ばれる代理店・ネットワーク体制の仕組み実現)
3、顧客を起点とした仕組み作り(旧来は会計と監督官庁を意識したシステム作
りだったが、これからは顧客を起点に)
4、調査、集計分析も自動化した仕組み(行動量の確保と問題の浮き彫りが必要)
5、活力ある組織(状況判断力が自律性の源泉、役割と責任がイコールな組織に)
6、ナレッジ(蓄積→共有→増殖→蓄積、これが回転する仕組み作りを)
7、IT(ITバブルに染まらず自らの哲学を具現化する道具として位置づける
べき。リアルが強くなければバーチャルでは勝てない)
8、経営哲学(「あきんど」の合理性と私事のない経営者に)

◇代理店経営の元気のポイント実例で紹介
最後に、島氏が「9つの提案」と題して代理店経営が元気になるポイントを異業
種の取り組みなど事例を示しながら以下の項目を提案した。

1、善意(地域や顧客価値を出発点に。他利の心)
2、事業(人に喜ばれる事)をする気持ち(やりたい事を商品化する)
3、人がまねできないこと(独自性の発揮)
4、お客に喜ばれる仕組みを計画化する(独自性の発揮)
5、お客様の話を聞く(発展の答えは顧客に)
6、新技術(IT化)を取り入れる。(顧客情報と業務効率化)
7、ネット作り(協力者をつくる)
8、主体的に考える(自分のやりたい事が元気)
9、成果を従業員へ還元する(やる気がでる組織作づくり)

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■編集後記
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あけましておめでとうございます。
1月1日のマガジン発行となりました。特集も「2001年保険業界を読む」で
すが、この1年は保険会社にとっても代理店・営業職員にとってもターニングポ
イントの年となりそうな気配です。最近とみにフットワークの衰えを感じていま
すが、ここは愛馬?ロシナンテに鞭打って混沌から抜け出す年としたいと思いま
す。(石)

21世紀を迎える記念すべき年明けに自分なりに感慨深い思いでおります。鉄腕
アトムの未来がいよいよやってきたのですよね・・・。といいつつ、実は感動に
浸る間もなく、年末まで仕事三昧、大晦日もおせち作りの合間に年賀状のプリン
トアウトに追われ、今紅白を聞きながらinswatch、こんなあわただしい年末は初
めてです。今、inswatchの原稿を読みながら、後ろでは紅白、若手歌手の登場の
たびに子供達が一緒に歌って踊って大変な騒ぎです。モーニング娘の時は特に踊
りながら熱唱して大興奮してました。もーうるさいっちゅーの!(涙)
ピンクレディの時は、私もつい踊ってしまいましたが・・・(^^;
それでは、今年もどうぞよろしくお願い致します。(森田)

12月31日紅白を聞きながらの編集作業となった。最近は、めっきり夜半コンピュ
ータに向かうことが多くなった。慰めてくれるのは、娘が飼っているハムスター
だ。夜行性だけに絶好の相棒である。違いは、ハムスターは、小さい籠の中でも
回し車を懸命に回しつづけ、絶えず動いているのに対し、私は、ほとんど同じ姿
勢で画面とにらめっこ、指のみ動かすだけの、ぶくぶく状態だということだ。最
近は頭の毛が気になるだけでなしに、頭の回転も鈍ってきた。回し車がほしいな
あ。それにしても1月1日にメールマガジンを発行できるとは、年初からラッキー
なめぐりあわせではある。年もどうぞよろしく。(中)

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保険代理店専門電子メールマガジン 【inswatch】Vol.22(2001.1.1)

発行日    毎週月曜発行(年52回発行)
発行元    有限会社 インスウォッチ
発行人    長  忠
編集人    石井 秀樹  中崎 章夫
WEBマスター  稲葉 幹雄
編集協力   森田 直子
URL  http://www.inswatch.co.jp
お問合せ info@inswatch.co.jp
投稿先  reader@inswatch.co.jp

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